外資系企業にも種類がある? 3タイプの外資系企業を紹介
外資系企業への転職を考えている方は、日系企業の年功序列の働き方から風通しがよく、実力主義を求めている人も多いでしょう。
ただ、外資系企業と一口で言っても実は中身は会社によって千差万別です。
わたし自身は2019年時点で外資系企業3社経験しました。
業界は、金融、消費財、製造メーカーと全く異なります。
また、過去の会社の同僚と会う機会もありますが、半分以上の割合で現在も同様の会社で働いている人はいません。
そんな中、自分自身の経験、周りの会社の状況などの話を聞くと、外資系企業は大きく3つのパターンに分類できるのかと感じます。
その3パターンとは下記です。
■ザ・外資系企業
■普通の外資系企業
■日系よりの外資系企業
ざっくりしたwネーミングですが、それぞれの特徴を説明していきます。
ザ・外資系企業
ザ・外資系企業は、外資系企業の中でもほぼ海外の現地の会社で働いている感覚に近い状況です。
イメージとしては、各部署に必ず外国籍のメンバーがおり、朝のおはようから、メール、会議、そして会社を出るまで完全に英語オンリーの人もいるような環境になります。
もちろん、各種書類やシステムも英語が標準で承認はもちろんハンコではなくサインですね。
ただ、日本人同士での会話の時だけは日本語を使ったり、日本独自の書類関係は日本語になります。
よって、総じて働いている人の英語力は高く、派遣社員であっても日常会話レベルの英語力を持ち合わせていないとコミュニケーションが取れないという状況です。
また、働き方も自由度が高く、コアタイムのないスーパーフレックスの制度や在宅勤務も可能といった感じでしょうか。
いわゆる一般的な人が考える外資系企業のイメージの会社です。
GoogleやIntelなどがそれに近いイメージかと思われます。
ちなみにIntelに務めていた以前の会社の同僚は、「メールは英語しか使っていないから鍛えられた」と言っていました。
こういった企業で働ける人は、世界の多くの国で大きな違和感なくスムーズに働けるのではないかと感じます。
普通の外資系企業
普通の外資系企業は、外資系企業の中では一番多くのシェアを占めるであろう外資系企業です。
外国籍の働いているメンバーは上層部の一部、もしくは数えるほどです。
部署や担当により、英語を利用する頻度は大きく分かれ、会社内で英語格差があることも。
マネージャー以上や日々英語を使ってグループ会社や取引先とやり取りをする人は英語が比較的堪能といった感じでしょうか。
一方で、国内でのやり取りばかりで英語を全く使わない人は英語を苦手とする人も多いです。
そうは言っても総じて英語力はあり、皆なんだかんだで必要な状況ではなんとかメールなり会話なりをおこなうような状況ですね。
企業文化もスーパーフレックスまではいかないが、フレックスタイムや、sick leave(スィックリーブ:病欠休暇)もあり、残業時間も比較的少ないです。
給料は年俸ベースが基本で、会社の利益によりボーナスの金額が異なる感じでしょうか。
忘年会や新年会の呼び方もYear end partyやNew year partyと外資感があります。
会社を辞める時は全社員に対して「Today is last day in here…(本日がここでの最終日になります)」というお決まりのメールが特徴ですね。
外資系企業の経験者はあるあると感じる点も多いかと思われます。
日系よりの外資系企業
日系寄りの外資系企業は、まさにその名の通り日系企業のカルチャーが脈々と受け継がれている外資系企業です。
このパターンの会社の多くは古き良き日系企業が、ある日突然外資系企業に買収されてしまったというケースになります。
そのため、会社のほとんどは日本人で外国籍の社長や役員が稀にいるという感じが多いでしょう。
外資系ですが、社歴が長い人が多く、平均勤続年数も十数年と、非常に長いです。
英語については、本国へのレポートがあるため、ある程度の役職の人は比較的話せます。
しかし、役職が高くても日系企業でベテランとなり、役職が上がった人は苦労している人が多いです。
給料は、年俸制ではなく、基本給とボーナスが年2回の一般的な日系企業と同様です。
また、年齢給などがあるなど日系企業の血が脈々と受け継がれていることもあるでしょう。
そうは言っても外資系企業になり、お給料は比較的高いといったしょうゆにソースをかけたような日系と外資のダブルスタンダードだったりも。
さらに、労働組合もあり、有給の取得と残業時間には厳しいので至極ホワイト企業な可能性もあります。
外資になってから中途入社組が多い部署は、他の部署と異なり“普通の外資系企業”文化が根付いていたりしますね。
憧れの外資系企業と思って転職してみたら、以前いた会社とそこまで大きく変わらないかもと感じてしまい、外資系の実力主義文化がそこまで感じられないのが、日系よりの外資系企業の傾向です。
さいごに
外資系企業でも大きく3つのパターンがあることを紹介しました。
一口に外資系企業と言っても、意外と日系企業に近い会社もあり、企業のカルチャーだけで見ると、メルカリなどの新しい日系スタートアップ企業の方がより外資に近かったりするのではないかと個人的には感じます。
多くの日本の外資系企業は上記の“普通の外資系企業”に分類されると思いますが、英語だけのグローバルな環境を求めたのに、日系寄りの外資系企業に行ってしまったり、その反対ということもあると思います。
そんな状況を避けるには転職の前に応募する会社、もしくは自身のポジションがどのパターンかを口コミサイトや面接等でしっかり確認をしておくことが重要ですね。
外資系企業への就職や転職を考えている方の参考になれば幸いです。