外資系経理

英語はやる気よりも環境で伸びることが証明された!

英語はやる気よりも環境で伸びることが証明された! 外資系経理部門に突然やってきた同僚の話

世の中どこを見渡しても英語、英会話、TOEICなど、英語をどうやって勉強するかという方法がありとあらゆる形で提示されている。

本屋の英語の学習本コーナーには本当にさまざまな英語教材が並ぶ。

また、電車に乗れば、必ず1つは見つける英会話スクールの広告。

ここ何十年も英語に対する日本人の需要は落ちておらず、今まで以上に需要と供給が伸びているとも感じられる。

これだけ多くの人が英語を勉強したい、もしくは英語をやらなければならない状況に陥っているにも関わらず、なかなか日本人の英語力は上達していない。

しかし別に皆が皆やる気がないから上達しないわけではない。

じゃあ何が悪いのか?

環境が悪いのだ。

 

外資系でも英語が苦手な人はいる

念のための説明になるが、わたしは外資系企業で経理として働いている。

そして、上司は外国籍で彼とのコミュニケーションはすべて英語だ。

いかにもザ、外資系企業と言った感じだろうか。

わたし自身、過去に語学留学などをおこない、ビジネスでなんとかやっていけているレベルの英語力を身につけている。

そんなわたしでも仕事の細かな論点を外国籍の上司に伝えるのは非常に難しい。

現在も説明の時は四苦八苦している。

そんな部署に数年前、他部署からある社員が異動してきた。

年齢は二十代後半。

特段、彼自身が望んで部署に来たわけでもなく、部署間の事情でどちらかというとネガティブな形での異動だった。

彼の配属チームはコントローリングチームといい、会社の原価計算や予算の策定、毎月親会社への会社の成績や将来予測をレポートするなど経営の根幹に関わる非常に重要な業務をおこなうチームだ。

しかし、彼自身、簿記の資格を持っていた訳ではなく、本当にたまたまコントローリングチームに来てしまった。

さらに彼は英語が全然得意ではなかった。

念のための補足だが、外資系企業というと全員が全員英語がバリバリできるというわけではない。

もちろん得意な人が多いのも事実だが、苦手な人でもなんとか働けるというのも外資系企業で働く人の共通認識である。

※外資系企業のイメージについては下記の記事でもう少し詳しく書いたので、参考まで。

外資系企業って思ったより敷居が低い! その実態と理由を説明外資系企業のイメージ 2017年8月に調査がおこなわれた外資系企業動向調査によるといわゆる外資系企業にカテゴライズされる会社は5,66...

 

そんな彼がコントローリングチームで働き始めてから彼にとって強烈な試練の連続が待っていた。

 

異動先のコントローリングチームでの悲劇

もともと彼がコントローリングチームに来る前から、彼の評判はあまり良くはなかった。

仕事に特段やる気は感じられないのはもちろんのこと、コミュニケーションでも難のある人だったからだ。

そんな彼の業務は雑務や簡単なものからスタートした。

社内で上がってくる稟議の金額が予算に収まっているかのチェックや、海外の親会社へのレポーティングに必要なデータの取り出しや加工というものがメイン。

不慣れな仕事でミスが多く、スピードが遅い彼に対して同じチームの上司は、フォローをおこなった。

しかし、残念なことに彼はいつも言い訳をするので、上司はそんな彼を徹底的に詰めるようになる。

他部署に対しての対応。

注意を受けたときの態度。

作業の進め方。

あらゆることに対して、上司の厳しい激が飛んだ。

もともと問題が多かった彼なので、良い教育を受けていると言えばそうかもしれない。

また、根本の原因は彼自身なので身から出たサビではあるが、傍から見ているわたしには結構キツめの激であったと感じた。

さすがの彼もこれだけ激を受けると、少しではあるが態度が改まってくる。

しかし、油断をすると仕事中に自分のスマホで自分の好きなスポーツのTweetを見るなど、相変わらずの自由さというか図太さをもっていた。

また、英語に対しても上司から激が飛ぶ。

理由は、メールの英文があまりにも変だったからだ。

彼になんでこんなに変な文章なのか問いただすと、Google翻訳のクオリティが悪いというとんでもない言い訳だった。

さすがの上司も頭を悩ませており、彼を別の部署に移動させるという話もウワサにはなったが、とりあえず、引き続き同じチームで彼は働いていた。

後で彼から聞いたが、その年、彼が上司からもらった評価は、自業自得だが本当にひどいものだったそうだ。

 

完全なる英語環境

彼の部署は、会社でもっとも英語に触れることが多い部署だ。

普段、仕事で一番利用頻度の高いExcelは、外国籍の上司や海外親会社にもすぐに報告ができるようにすべて英語で作成する必要がある。

日本人同士のメールであっても、いつCCに外国籍の上司を加えても話の流れを追えるように英語で統一されていた。

また、社内のシステムは日本語モードと英語モードがあり、多くの社員は日本語モードを利用する。

しかし、彼のチームはシステムからデータのダウンロードをして加工したものを親会社にレポートするので、常に英語モードを利用しなければならない。

極めつけは、外国籍の上司からの質問はすべて英語で話す必要がある。

当たり前だが、お互いの共通言語は英語しかないからだ。

彼は最初の頃、英語の勘定科目も全然分からず、外国籍の上司との会話は「まったく何を言ってるのか分からないので助けてほしい」と別の上司を頼っていた。

しかし、上司も言い訳が多い彼にイラ立ちが出始めた頃から、本当にどうしようもない時しかフォローはせず、「自分で説明してこい」と彼を突き飛ばす。

彼と外国籍の上司との会話を聞くと、彼の英語は単語でキーワードを言うだけで文章とはとても言えないようなシロモノだった。

 

直属の上司の休業

彼がコントローリングチームに来て、1年ほど経過した。

仕事も英語も以前に比べればだいぶまともにはなってきたが、まだまだ上司からの激は飛んでいる。

そんなある日、一身上の都合で彼の直属の上司は休業を取ることになる。

休業だったが直属の上司の代わりに新たな上司が来ることはなかった。

そして彼の業務範囲は増えた。

さらに、彼は直属の上司がいなくなったことにより、外国籍の上司ともコミュニケーションを取る機会が増えることになる。

彼は外国籍の上司からの英語でのさまざまな質問になんとか回答していた。

必死に勉強をするタイプにはまったく見えない彼だが、英語でのコミュニケーションができないとそもそもの会話が成り立たないという窮地に陥ったため、一生懸命彼なりに努力して英語を日々使っていたんだろうと思う。

そもそも、言い訳をするにもその言い訳をする英文を考えるのも一苦労だからだ。

そんな窮地をいくつもくぐり抜けているためか、以前よりは英語も文章で話せるようになっているようだった。

 

やる気のない人の変化

人の成長というのは近くにいると分かりやすく感じるもの。

彼がコントローリングチームに加わって約1年半が過ぎようとしていた。

クセのある人柄は若干マイルドにはなったが、まだまだ彼の本質は健在で、Twitterでのスポーツ情報の検索をたびたび目撃した。

そんな中、わたしは衝撃の状況に出くわすことになる。

彼が電話の受話器を持ち、何やら誰かと話をしている様子。

よくよく聞いてみると驚いたことに英語で海外のチームに自ら電話をかけて何かを依頼していたのだ。

また、英語力もレベルアップしており、過去に比べると圧倒的にスムーズに会話をしている。

正直驚いた。

あんなに外国籍の上司との会話を怖がり、単語と単語のキーワードだけを並べただけの英語を話していた人間がいつの間にか、自ら受話器を取り海外の相手に電話をかけているとは。

しかも、彼は必死に努力をするタイプではなく、何につけても面倒くさいな、やりたくないなというスタンスだったにも関わらず、彼の英語は彼の業務を遂行するのに必要なレベルになっていたのだ。

この時わたしは思った。

Excelはすべて英語、システムも英語、メールも英語、外国籍の上司との会話も英語という状況を仕事で毎日毎日繰り返すことは、本人の意思は抜きにして、英語学習の観点ではとてつもない恵まれた環境なんだなと。

また、毎日これだけ英語に触れていれば、嫌でも英語は伸びるんだと。

まさに彼が環境の大事さを証明してくれたのだ。

 

さいごに

今日も日本のありとあらゆる場所で英語に悩む方、話せるようになりたいと思う方がたくさんいる。

あなたが本当に英語力を身につけたいのであれば、やる気以上に大切なものがある。

英語だけしか使えない環境にできるだけ長い時間身を置くことだ。

時間が取れるのであれば、海外に留学をして、徹底的に日本語を排除し英語漬けになるのもよい。

もしくは、彼は偶然だったが、自ら厳しい職場環境に身を置き、英語が使えないと生きていけない状況を作るもよし。

とにもかくにも英語にできるだけ浸る時間を作り続けることだ。

いったん環境を作り、その環境に浸り続ければ、自分のモチベーションがどうであろうと勝手に英語力は伸びていく。

彼の英語の上達ぶりが何よりのエビデンスだ。

今日も彼はそこそこやる気なく働いている。

しかし、彼のやる気とは関係なしに英語力は着々と伸び続けている。

ちなみ私かみぞののTOEICの推移とその時点でのビジネス英語力もご参考まで。

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