経理から人事の採用担当になって、さまざまな部署での中途採用の面接に同席した。
わたしが働いているのは外資系企業なので当然と言えば当然だがそれなりの英語力(英会話力)を求める求人も多い。
当初は、候補者の英語力がどれくらいあるかを面接の際に日本語で質問した。
具体的にはビジネスでの英語経験、TOEICスコアなどから推測して英語力を確認していた。
そのため、1次面接では外国籍の日本語が話せない面接官と同席する時以外は英語面接をおこなっていなかった。
しかし、ある時から英語力を求める求人については必ず一部英語で会話をすることを決めた。
なぜならば、英語力を測る唯一無二の方法は英会話をすることだからだ。
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外資系企業の採用担当になって分かった面接にくる人の英語力を測る唯一無二の方法
相手の英語力を測る絶対的な唯一無二の方法は相手と英語で会話することだ。
ものすごく当たり前な話で拍子抜けかもしれないが、これを面接でやっていない会社、もしくはできない会社が意外と多い。
まず、なぜ他の会社が面接でやっていないかが分かるかと言われれば、わたし自身が転職活動で経験したからである。
転職活動をおこなっていた際に英語力を求められるポジションにも関わらず、面接で英会話をしなかった経験が複数あるからだ。
もう一つの英語で会話することができない会社は、英語力のある人材を求めているが雇う側の面接官をするポジションに英語力のある人間がいない点だ。
英語力を測れる人物がいないため測ることができないといった理由。
わたしも人事の採用担当として面接に入り始めた頃は、日本語で「英語はどのくらいできますか?」といった質問しかしておらず、相手の言ったことをそのまま受け入れていた。
すると、1次面接を通過したある候補者が最終面接で問題となった。
英語力の確認をせずに最終面接に通した候補者のゆくえ
ある候補者は日系企業に勤めており、海外駐在をインドともう1か国の2か国で経験していた。
いつも通り、英語力の確認で「海外駐在中は何語で会話されていましたか?」と質問したところ「英語で訛りの強いインド人と頑張ってコミュニケーションしてました」という回答。
また英語でもプレゼン資料を作ってプレゼンをおこなっていたと聞いたため、駐在期間もトータル5年以上あり英語力は問題なしと判断した。
しかし、最終面接が終わったタイミングで人事のトップから上記候補者の不採用のフィードバックをもらった。
理由は、英語力の低さ。
最終面接の際に英語で会話をした結果、会話にならなかったとのこと。
わたしは驚きを隠せなかった。
あの人、インド人とバリバリコミュニケーションとっていたと言ったのに。。。
上記以外にも、海外の外資系企業で働いている人を1次面接から最終面接に進めた結果、同様の結果だった。
この海外の外資系企業で働いている人も1次面接では普段から英語でコミュニケーションをとっていると聞いていた。
上司にこの事実を言ってもただの言い訳になってしまう。
英語力の確認不十分で最終面接に候補者を進めたのはわたしの責任でもあるので、やり方を変えるしかない。
どのように変えるかは、前述した通り英語で会話をすることだ。
面接の際に英語で会話を必ずおこなうことを決めた結果
1次面接で英語での会話を部分的におこなうことで、あることが分かった。
ビジネスで英語を使って会話をしていたという人も実際に英語で会話をしてみると会話が成立しないことがあるということだ。
相手が盛っているのか。
もしくは相手は事実を伝えたが、こちらの基準値が違うのか。
たまたま面接で緊張して言葉が出てきていないのか。
いろいろ考えられるが、実際に会話してみることで相手の実力が測れる。
ちなみに英語でどんな質問をしているかは、趣味や、自身の強みor弱み、現状の業務など特別難しい質問は何一つしていない。
面接を受ける人なら誰しも準備しているであろう質問だ。
それでも、会話にならない人はいる。
なんとも残念な事実だが、わたしはこの経験から身をもって確認の重要性を痛感した。
いくらTOEIC990点だろうが、海外の大学を出ていようが自分自身が英語を話し英語力を確認したという事実ほど重要なエビデンスはない。
さいごに
英語力を判断する唯一無二の方法は英語を実際につかって相手とやりとりすることだ。
現在、多くの会社が事業をグローバル展開しており海外との取引がある。
すると、採用において一定の英語力を求められるのは言うまでもない事実。
英語力を求める多くの企業の内、どれだけの企業が実際に面接で英会話をすることでチェックしているかは不明だが、英会話をする以上に良い確認方法はない。
また、もう一つ大事なことは事実確認をしない限り想定は外れるということだ。
海外駐在していたから英語力はあるだろう、海外で外資系企業に勤めていたから英語は問題ないだろうと思っても、事実確認は必要である。
これは英語に関わらず、すべてにおいてだ。
面接において、仕事において、さまざまなことにおいて、事実確認は重要である。
いわゆる百聞は一見に如かずというやつだ。
何事も大丈夫と思っても事実を確認する癖をつけることで、想定とのズレを解消していきたい。