外資系転職

人事が語る転職市場の年齢の壁の実情と解決策とは?

転職市場の年齢の壁 実情と解決策

転職でよく話題になるのは”年齢の壁”。

まず、結論から先に言うと転職市場の年齢の壁は存在します。
そしてその解決策とは”マネジメント経験をする”です。

今回はこの結論に至るまでの現状やなぜ需要がなくなるのか、またどうすれば解決できるのかを実際に外資系メーカーで人事をしているわたしの経験を元にお伝えしていきますね。

 

人事が語る転職市場の年齢の壁の実情と解決策とは?

転職で一定の年齢以上になると急に需要がなくなって転職が難しくなる状況は間違いなくあります。

特にわたしが実際に感じるのはスタッフポジション(平社員)において40歳以上が大きな分かれ目かと感じます。

なぜ40歳以上が大きな分かれ目かと言うと、端的に言えば以下の3点です。

■転職で40歳以上を避けるポイント3点

1.成長が見込みにくい

2.扱いにくい

3.年齢構成上

 

1.成長が見込みにくい

1つ目は成長が見込みにくいという点です。

40歳とは4年生大学を卒業して22歳から継続的に働いていると考えると18年のキャリアがあります。

18年のキャリアを見れば、その人の今後のパフォーマンスも予想しやすいです。

仮にスタッフのポジションで企業が募集をおこない、40歳以上で現在スタッフポジションの人が応募をした場合、やや疑問に感じます。

なぜ、疑問に感じるかと言うとポジションが上がっていないからです。

人事や採用部門は「この人はこれだけ年数が経っているいるのにポジションが上がっていないのはなぜだろう?普通、成果を出している人であればもっとポジションが上がっていると思うが何か理由があるんだろうか?」と考えます。

すると「弊社に入ってきてもこの人はあまりパフォーマンスを発揮しないんじゃないだろうか」と考えるでしょう。

それであれば、もっと若い人を採用した方が可能性があるんじゃないかという思考になります。

結果、年齢で書類選考から漏れてしまうという流れです。

もちろん、会社によっては募集ポジションの枠が埋まればよくて年齢を気にしない会社もあると思うので、すべての会社には当てはまりません。

 

2.扱いにくい

2つ目は扱いにくいです。

シンプルにイメージしていただくとあなたがマネージャーで30歳だとすると25歳の部下と55歳の部下に注意をする場合にどちらの方が注意しやすいでしょうか。

たぶん25歳の部下の方が注意しやすいと感じる人が多いでしょう。

年上の人に注意をすることは一般的に年下の人に注意をするより気を使います。

また、若い人の方が年を重ねた人よりも頭が柔らかく、スピード感もあり従順な印象を受ける人が多いんじゃないでしょうか。

もちろん例外もありますが、企業も採用の際には同様のことを考えます。

あなたがマネージャーで部下を採用する際に経験が同じくらいだった場合、年上を採用したいか年下を採用したいかを考えると年下を採用したいと思うんじゃないでしょうか。

30代で管理職に就く人はあまり多くはないですが、40代だと管理職の割合は増えていきますよね。

すると自分と同年代や上の年代の人よりも下の年代を採用したいインセンティブがはたらき、40歳以上は採用されにくくなる流れとなります。

 

3.年齢構成上

3つ目は年齢構成上の問題で40歳以上は採用されにくくなります。

今の日本はご存知の通り少子高齢化です。

日本の人口構成比上、高齢者の方が若い人より多いため、企業にも同様の現象が発生します。

たとえば、あなたのチームメンバーが40代、50代で構成されていたとして、同じ40、50代の人を採用したいでしょうか?

たぶん今後のことを考えるのであれば、30代や20代を採用したいと思うでしょう。

なぜなら、一定の世代しかいない場合、その世代がいなくなると業務やスキルを上手く継承しにくいからです。

実際にわたしが働いている会社でも、ある部門でスタッフポジション採用時に上記の状況だったため、40歳以上はどんなに優秀な人でも採用しないという方針で採用をおこなったことがありました。

では、あなたのチームメンバーが20代、30代で構成されていたとして、同じ20、30代の人を採用したいでしょうか?

こちらはYesと答える人が多いでしょう。

ちなみに40代、50代の人を採用したいでしょうか?

こちらはNoと答える人が多いでしょう。

これは2つ目の”扱いにくい”点が理由となります。

もちろん重要なポジションで経験が必要とされ保守的に会社を見れる人がほしいとなると別ですが、いわゆるスタッフポジションの場合は、あえて40、50代を入れることはないと思われます。

多くの企業が新卒採用をおこなっているのも年齢構成を考えた人事戦略であることも要因の一つです。

でなければ、未経験で教育コストもかかり、内定から入社で半年か1年もかかる新卒を入れることはしないでしょう。

では、これらの3つの理由があったとしても40歳以上でほしい人材とはどんな人材でしょうか?

答えは冒頭で書いた通り”マネジメント経験がある人材”です。

 

年齢の壁はマネジメント経験で解決できる

年齢の壁を超えるには、マネジメント経験が一番幅広く使える解決策になります。

もちろん、マネジメント経験がなくともその世界のプロフェッショナルになれば簡単に年齢の壁は壊せますが、そもそもプロフェッショナルであれば会社に所属すら必要でなくなるでしょう。

話は戻り、なぜマネジメント経験が一番広く使える解決策かと言うとマネジメント経験があると上記の年齢の壁の1(成長が見込みにくい)と2(扱いにくい)を回避できるからです。

どういうことかと言うと、マネジメント経験がある=スタッフポジションのから昇進をしたことになります。

昇進をしたということは、間接的に成果を出している証明でもあります。

なぜなら、成果を全く出さずに昇進をすることは余程の何かがない限りありえないからです。

これにより1つ目の”成長が見込みにくい”を回避します。

次に”扱いにくい”点です。

管理職で採用する場合、たとえばマネージャー職(課長職)で募集した時にマネージャーを管理する人はダイレクター(部長)となります。

ダイレクタークラスになると年上は扱いにくいというデメリットは薄れていきます。

なぜなら、ダイレクター職にまでなるとさすがに年下しかいないという状況はほぼ発生しないからです。

ダイレクタークラスのポジションであれば、採用時に年齢のポイントよりもスキルのポイントにより比重がいくでしょう。

結果、年上は扱いにくというデメリットが薄れ、年齢ではじかれることは少なくなります。

なので、年齢の壁を超えるにはマネジメント経験が一番応用がきくスキルとなります。

 

さいごに

今回は転職市場の年齢の壁の実情とその解決策を紹介しました。

実情として年齢で足切りすることはあり、わたしも部門からの依頼などで実際におこないました。

足切りに合わないための解決策は”マネジメント経験”です。

今後、年を重ねてリストラされてもいいようにマネジメント経験を積むことが転職市場で勝ち残る万能な武器となります。

しかしマネジメントは、人によってはあまり好まない方もいるでしょう。

だからと言ってプロフェッショナルもなかなか手が届かない。

そんな場合でも、言えることがあります。

すべての会社で年齢の壁があるわけではないということです。

世の中にはごまんと会社があります。

その中には年齢を気にしない会社も数は多くはないかもしれませんが存在することは事実です。

個人的には外資系企業の方が年齢を気にしない傾向が高いように感じます。

何はともあれ急に職を失って慌ててしまわないように余裕のあるうちに定期的に転職エージェントとコンタクトを取り、自分の市場価値を把握しておくことをオススメします。

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