外資系経理

外資系経理の月末の仕事内容って何?分かりやすく月末の仕事を解説

これから外資系の経理に転職を考えている方は、普段外資系の経理ってどんな仕事内容をおこなっているのか気になりますよね。

外資系の経理を3社で経験した私かみぞのが、どのような仕事内容をおこなっているのかを説明します。

今回は、月初、月中、月末の3つある中で、月末の業務を説明いたしますよ。

会社や業界毎に違いはあると思いますが、共通業務と思われるものをシンプルにわかりやすく上げていきます。

 

外資系経理の月末の業務

外資系企業の月中におこなわれる業務は大きく分けると下記の3点になります。

 

1.支払、入金処理

2.25日前後に不良品や数量差異の請求

3.あらゆる確認作業

 

支払、入金処理

ビジネスでもプライベートでも皆さん一度は請求書をもらったり、送ったりした経験はありますかね?

よく請求書を見る方は支払日がいつになっているかも見たりしませんか?

日本では多くの会社の請求書の支払い期限は1月31日や11月30日など月末払いになっていることが多いです。

ということは、多くの会社では月末に支払をおこなったり、反対に送った請求書の金額が振り込まれるんですね。

だって、お金はなるべく多くもっていた方が何かあったりした時の助けになったり、毎月どのくらいのペースで支払っているかなどの指標を付ける会社もあるので、できるだけ遅く払えるものは遅らせます。

そうなると、経理担当者はたくさんある請求書を月末までまとめて一気に支払の処理をするんですね。

具体的には以下の流れです。

 

1.紙の請求書の取引先毎の金額とシステム上の今月払う金額が合っているかを確認。

2.システムで支払の処理、さらにインターネットバンキングで支払の予約手続き(システムで支払の処理が後の会社もあり)

3.月末に銀行から支払

 

支払先や金額が間違ってしまうと大変なので、”読み合わせ”と言って、銀行の支払データと実際の請求書の金額が合っているかを2名で確認し合う作業なども会社によってはあります。

一方で、入金の処理は以下になります。

 

1.インターネットバンキングでどこの会社から入金があったかをチェック

2.システムに入っている入金予定の金額と差異がないかを確認

3.システム上で入金の処理をし、取引先のデータからもらった金額を消す

 

入金の場合は、入金期日までに支払をしてこない取引先には催促をする必要があります。

基本的にはやり取りをしている営業担当から取引先に連絡してもらうことが多いですね。

ちなみに、日本の請求書は月末が期限のケースが多いですが、海外の場合はどうでしょうか?

海外の請求書は取引条件によってもまちまちですが、Invoice date(インボイス デイト:請求書の日付)から数えて何日以内に支払ってという支払条件が一般的です。

例えば、1月7日がInvoice dateでDue date(デュー デイト:支払期日)がNet 30(Invoice dateから30日後がDue date)の場合、2月6日が支払期日となりますね。

 

25日前後に不良品や数量差異の請求

外資系企業ですと25日付近に前月の26日~今月の25日までに発生した不良品などの請求依頼を海外のグループ会社におこなったりします。

たとえば不良品(Product defect:プロダクト ディフェクト)を例に上げて説明しますね。

商品を買うと、一定の割合で何かしら壊れているや、サビているなど不良品が混じっていたりします。

ただ、送られてくるInvoiceにはその不良品の分もしっかり請求されてくるんですね。

でも不良品なのにお金を払うのはおかしいですよね?

そのため、一定期間で区切って、この期間に来た不良品の数や金額、何が問題だったかをまとめておき、グループ会社に連絡します。

連絡して会社によっては相手からの承認後、不良だった分は返金orこちらが支払う分から相殺しますねという書類を送ります。(もしくは相手から書類が送られます)

相手から送られる「この分は請求から抜きますね」という書類はCredit note or Credit memo(クレジット ノートもしくはクレジット メモ)と言います。

反対にこちらから相手に送る「支払の時に不良分の金額は引いて払いますね」という書類をDebit note or Debit memo(デビット ノートもしくはデビット メモ)と言います。

今回は不良品を例にあげましたが、不良品以外にも、数量がInvoiceに記載されているものと異なっていたり、そもそもInvoiceに記載されている商品と中身が異なるケースもあるんですね。

そんな際にも同様にDebit memoの発行もしくはCredit memoをもらいます。

不良品と数量の差異などひとまとめにして一つのDebit memoにするケースもありますよ。

気をつけたいのは、Debit memoを送ってから相手がそんなものは認めないなどと言い出すことです。

相手が認めないとDebit memoの取り下げをおこなう必要などあるので、担当部門(ロジスティク部門が多くの場合担当でしょうか?)に事前に相手から許可を取っているものかを確認してから、作業を進めると手戻りがないのでスムーズに仕事が進みますね。

なお、Royalty(ロイヤリティ)の毎月の報告を25日前後におこなう会社もありますよ。

ちなみにRoyaltyとは親会社のブランドで商品などを販売している場合のブランド代のようなものです。

コンビニやチェーン居酒屋でもフランチャイズのお店は本部に売上の数%を支払うという仕組みがありますよね。

まさにフランチャイズの仕組み同様、親会社に売上の数%を計算して支払いをおこないます。

 

あらゆる確認作業

タイトルのとおり、月末にはありとあらゆる確認作業をします。

経理業務は毎月決まった定型業務が多いんですね。

そのため、決まったことがしっかりできているかを確認する必要があります。

毎月決まった費用の引当はおこなったか?

いつも20日頃来るのに当月末に支払をしなければならない請求書はちゃんと届いているか?

月中で提出が必要なレポートは送ったか?

一つ一つ処理漏れ、受領漏れ、提出漏れがないかをチェックします。

もらっていないものがある場合は、早めに相手に依頼が必要ですね。

また、Quarterly(クオータリー:四半期の)で発生する作業や7月だけ特別な作業などイレギュラーイベントをちゃんとおこなったかも確認が必要です。

そもそも、確認することを忘れてしまっていないかの確認も大事ですね。

エクセルなどで、チェックシートを作成して必要な作業をおこなったかを確認できると漏れを防ぐことができますよ。

 

最後に

経理の月末の仕事内容を書きましたが、あたらめて見ると日系企業の経理業務とほぼほぼ同じなのかなと感じます。

支払いやレポートなどはちょっとしたミスが大きく会社の信用や数字に影響をしますので、どれだけミスをなくすかが重要です。

もしミスをしてしまったら、現在の作業プロセスではミスが発生してしまうことを自覚し、どのようなプロセスにすればミスを予防できるかを考えることが必要ですね。

ただし、考えた結果、”もっと一生懸命確認する”といった精神論での解決策だけは一番おこなってはいけません。

なぜなら、精神的なものは人によりバラツキがでますが、具体的なプロセスにはバラツキが少ないからです。

確実に具体的なプロセスに落とし込んだ改善をすることでミスを予防しましょう。

状況によっては、誰かに確認してもらうプロセスを入れるのもありですね。

とにもかくにも漏れ、ダブり、ミスを防ぐために、確認あるのみです。

なお、外資系経理の月初の仕事内容は下記。

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