あなたの会社では社内の全員の給料は公開されているだろうか?
たぶん、ほとんどの会社では給与テーブルなどは見えても個人情報に紐づいた給料を見ることはできないだろう。
もう一つ質問で、もしあなたが隣にいる同僚、上司の給料がいくらか知れるとしたら知りたいだろうか?
きっと上司や同僚の給料を見たら、なんとなく他人のスマホのLINEのやり取りを見るようなパンドラの箱を開けた気持ちに感じるだろう。
今回、経理から人事に異動して会社の社員全員の給料をマジマジと見る機会を手に入れた。
実際に見てみた感想と気付いたことをシェアしたい。
Contents
人事に異動して社内の同僚や上司の給料をまじまじと見た感想と気付いたこと
まず、結論を先にお伝えすると刺激→嫉妬→無という感情の変化が起きた。
最初は未知との遭遇でとてつもない刺激。
それから、何故あの人があんなに給料が高いんだという嫉妬。
最終的にはただの数字になり何も感じなくなる。
今回はわたしが感じた感情の変化を時系列と共に紹介したい。
【初期】社内の社員の給与をまじまじと見た感想
最初に同僚や上司の給料を見た時は、パンドラの箱を開けたようなとてつもない刺激だ。
他の部署では絶対に見ることはできないので、とてつもない秘密を知ってしまった気分。
「この人こんなにもらっているのか、すげーーーーー!」とメチャクチャテンションが上がって、そりゃもう凝視した。
食い入るように見た。
もう、かっぱえびせんじゃないけど、やめられない止まらない。※古い…
もの凄いドーパミンが出て相当な人数の給料を見た。
とにもかくにも今まで知りたくても、知れない世界が広がり、とんでもない刺激だった。
【中期】社内の社員の給料をまじまじと見た感想
社内の同僚や上司などの給料を見ていると沸々と湧き上がる感情がわたしの内側から出てきた。
そう、「なんであんな仕事のできない人がこんなに給料もらっているんだ」という嫉妬の感情だ。
給料を見ることで分かったが、“自分はあの人より給料高い”という優越感のようなポジティブの感情より“なぜ、あんな人より自分の給料が低いんだ”というネガティブな感情の方が強く出た。
改めて考えると非常に残念だが、心理学的にもネガティブ感情とポジティブ感情の比率は約7:3でネガティブ感情の方が多いとのこと。
※下記参照
感情に関する心理学的研究では,これまで圧倒的にネガティブ感情が対象とされてきました。その主な理由は,ネガティブ感情とポジティブ感情の比率が約7:3とネガティブ感情のほうが多いこと…
わたしは業務上、給料を見なければならない立場だが、なぜ全員の給料を公開していないかが良くわかる。
不平不満のネタには十二分になるが、あまりポジティブな効果が期待できないからだ。
給料を見るということは一瞬の快楽に繋がるが、一種の麻薬のようなもので嫉妬と言う副作用が強烈なものだった。
【後期】社内の社員の給料をまじまじと見た感想
初期には他人の給料を見ると、もの凄い刺激や嫉妬があったが気が付くとただの数字になった。
なんでも当たり前になると何も感じなくなってしまうのは人間のいいところでもあり、悪いところでもある。
これって、お金持ちになったらこうしたいああしたいも一緒だと思う。
たとえば、タワーマンションの最上階に住んだら、上層階からの景色、自分はこの空間を手に入れたという高揚感、満足感に満たされるだろう。
ただ、それが毎日続くかと言われればNoだ。
気が付けば、変わらない見慣れた景色、住み慣れた場所、ただの家になる。
わたしが、前社で東京タワーが間近に見える高層階のオフィスで働いていた時、働き始めはすべてに感動したが働き始めたら何も感じなくなった。
よって、社内の人間の給料が見られる刺激も高層階の景色も慣れてしまえばなんてことはなくなってしまう状況と一緒だ。
結局、人は常に新たな刺激がない当たり前になると飽きてしまうんだなと感じる。
でも、一度は経験したい、見てみたいと思うのが人の心。
ただ扉を開けた先は一瞬の高揚感の後に嫉妬と飽きが待っている。
さいごに
人事に異動して社内のいろんな人の給料を見た結果、刺激というエンターテインメントが一瞬あったのは事実。
そして、そのあとには嫉妬というネガティブな感情が現れた。
ただ、慣れてしまえば後は中途採用をおこなう際のただの指標としてしか意味を持たず、何も感じなくなってしまった。
同僚や上司など社内の人の給料を知ることは、自身をコントロールできる“できた人”しか扱いが難しい代物だった。
改めて感じたが、自分自身を律する人以外パンドラの箱は開けない方がいい。
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