外資系経理

簿記や会計知識がなくても経理業務はできる!その理由とは?

簿記や会計知識がなくても経理業務はできる!その理由とは?

簿記の資格もなく、会計の原則も全然分かっていない、それでも全然経理業務はできてしまうんです。

まず、結論としては定型的なオペレーション業務であれば理屈が分かっていなくても仕事はおこなえてしまうというのが理由になります。

経理業務は他の業務と比べてもスタートのハードルが高いと言われています。

しかし、実際のところ決められた流れの業務であれば知識ゼロでもできてしまうのは事実です。

では、実際にどんな状況だとできて、どんな状況だとできないかを経理業務を3社で経験したわたしの経験から書いていきたいと思います。

 

簿記や会計知識がなくても経理業務はできる!その理由とは?

まず、どんな部署にも共通して言えることが、業務には定型業務と非定型業務に分けることができます。

ちなみに定型業務とは、パターンが決められた毎月同じことをしていくような業務ですね。

たとえば、経理で言うと毎月月末はお客さんへ支払い業務があったり、月初には前月の決算の締め業務があったりします。

※経理は月末どんな業務をしているか気になる方は外資系経理の月末の仕事内容って何?分かりやすく月末の仕事を解説をご覧ください

 

このように毎月や毎週など決められたタイミングで同じような業務をおこなうことを定型業務と言います。

一方、非定型業務とは上記の逆で、パターン化されていない業務です。

たとえば自社で新たなシステムを入れるためのシステム導入プロジェクトや会計基準の変化に合わせて今までの経理処理からどのように変更するかなどが非定型業務にあたります。

簿記の知識などがなくても業務ができてしまえるのは、世の中の多くの仕事が定型業務にあたるためですね。

 

会計知識がなくてもできる経理業務は定型業務

たとえば、まったく会計知識のない人が前任者から毎月どこかのタイミングでシステムに前月とまったく同じ仕訳をインプットするように指示を受けたとします。

すると、会計知識がなくても前月と同じようにインプットするやり方さえできれば業務としては成り立ってしまうのです。

実はその背景には年1回発生する金額の大きな費用(たとえば監査費用)を、12月だけにヒットさせると12月のPL(損益計算書)がゆがみ本来の12月の売上と費用の結果が分かりにくくなってしまうということがあります。

で、これを回避するために12月に発生する費用を適切に見込んで、1~12月に分散して費用を入れていきましょうという目的で毎月同じ費用を入れているとしましょう。

上記を元に毎月同じ仕訳をしているとしても、そんなこと知らなくても業務上は回ります。

さらに監査費用の反対勘定には前払費用という項目が入っており、それがPL項目なのか、BS(貸借対照表)項目なのか、そもそもなんなのかが分からなくても仕事上は回ってしまいます。※ちなみにBS項目です

このように会計知識が全然なくても、こういう時はこうするというパターンだけ分かっている状態でも仕事はできてしまうんですよね。

上記以外にも経理には照合作業といって自社がA社に商品を売った金額と個数がA社が仕入た個数と金額と合っているかを付け合せる作業があります。

そんな時もデータの付け合わせ自体は会計知識がなくてもできてしまうんですね。

で、その後にお互いの会社に差異があった時などにそれを修正する仕訳をシステムにインプットします。

実はシステムへのインプットの際に会計知識が必要なのですが、この業務は照合作業に占める業務の比率としては1割もなかったります。

つまり、業務によってはその業務の大半を会計知識が不要な業務もあったりするんですね。

もし、この業務で会計知識が必要な部分と不要な部分を分業していたとすると、完全に会計知識なしで完結することも可能です。

結果として、経理業務は会計知識がなくてもなんとかなってしまうとなります。

じゃあ、経理って会計知識は必要なの?と思われるかもしれませんが、これはわたしの経験上100%Yesです。

 

経理業務で会計知識が必要な理由

さきほど、定型業務と非定型業務の話をしましたが、非定型業務をおこなう比率が高くなるにつれ、会計知識のバックグラウンドを求められます。

つまりはポジションが上がると非定型業務をおこなう比率も上がるので高いポジションを目指すなら必須です。

たとえば、上記で説明した定型業務をおこなう中でトラブルやイレギュラーが発生した場合、今までと異なるやり方で対応が必要なので会計知識が必要となります。

理由は、その仕訳の背景や構造を全体的に理解していれば、トラブルでも全体の構造を理解した上で対処できるからです。

反対に会計知識がない場合は、何も全体を理解していないため打つ手なしです。

また新たな会計基準が適用される時や仕訳の変更をおこなう時も会計知識がないと対処の手段が出てこないでしょう。

会計にはルールがあります。

そのルールを知らずして上記の対応は困難となります。

このように非定型業務になればなるほど会計知識が求められます。

ちなみに会計知識とは何を指すのか疑問に思う方もいるでしょう。

資格の事なのか、そうでないのか。

結論、資格はあくまでも知識をつけるためのツールであり、資格がなくても知識があれば上記の問題をクリアできます。※公認会計士や税理士などその資格がないとできない業務は別です

 

さいごに

今回は会計知識がなくても経理ができてしまえる理由を説明しました。

どの業務もそうですが、定型業務のように毎月同じことを同じようにやる業務については会計の知識がなくてもできてしまいます。

また、経理の業務でも経理知識を必要としない業務もたくさんあります。

ただし、その際にトラブルが発生した際やイレギュラーケースを対処するには知識が必要になってくるでしょう。

また、ポジションが上がるにつれて非定型業務も増えてくるので、非定型業務に対応するためにか会計のルールを知っておく必要があり知識が求められてきます。

もし、今後経理のポジションを目指す人で経理業務は絶対的に会計のベースがないとできないと思い込んでいる方にはハードルを下げることができたかと思います。

いずれにせよ会計知識はあるに越したことはないがなくてもなんとかなる事実を知ってもらえればなによりです。

なお、経理業務って実際どんなことをしているかについては以下をご覧ください。

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