外資系企業

金はあるところにある!お札がバラまかれた外資系投資ファンドの忘年会の話

お札がばらまかれた外資系投資ファンドの忘年会

もう結構昔になるが、初めて経理職として第一歩を歩み始めた外資系投資ファンドで働いていた時の話をしたい。

※仕事の話は未経験から外資系企業投資ファンドにて経理業務をスタート 【自己紹介14】をご覧ください

会社は港区の高層階のオフィスビルに構え、夜には東京タワーがこれでもかとオフィスからキレイに見える最高のロケーション。

重役の部屋はガラス張りになっており、外国籍のワイシャツを着てても分かるほど感じられるジムで鍛え上げられた肉体の男性が、机の上に足を伸ばしblackberryの携帯で談笑している姿は今も目に焼き付いている。

思い描いていた以上のザ・外資系企業。

会社終わりにチームのボスの家(港区の高級タワーマンション)のルーフトップでビアパーティーをしたのも庶民のわたしには浮世離れした世界だった。

そんな中でもわたしが特に度肝を抜かされたのは、忘年会だ。

 

金はあるところにある!お札がバラまかれた外資系投資ファンドの忘年会の話

わたしは外資系の投資ファンドの経験は1社しかないが、外資金融とはこれほどまでにバブリーだったとは驚いた。

なんせ、忘年会でお札がばらまかれたからだ。

まず、忘年会は港区の某会員制社交クラブで開催された。

もう、会員制社交クラブに行くことなんて、この会社で働いていなければ一生ない経験だと思う。※会社を辞めてからはこの会社との付き合い以外ではここに訪れたことはもちろんない

わたしはもちろん庶民なので、電車と徒歩で現地に向かったが、場所に乗りつけてくる車は超が付く高級外車ばかりだった。

ここは日本だけど、日本車とか軽自動車って存在しなくなっちゃったんかな?と不安になるほど、超高級外車しか乗りつけていない。

世の中は同じ人間が住んでいるのに、庶民とお金持ちがプライベートで交わらない理由が分かるほど庶民には縁のない場所だった。

そんな庶民のわたしは、外資系投資ファンドに勤めることで時空のゆがみを発生させて、庶民とお金持ちの狭間でお金持ちの世界を見ることができた。

さて、話は戻り嬉し恥ずかし初体験の会員制社交クラブに無事に潜入。

まぁ庶民的に言うならば高級な公民館(語彙が・・・)のような場所だった。

イベントスペースがあったり、スポーツができる場所もあり、でも雰囲気は高級ホテルのような・・・そう、まさに高級公民館w

そんな高級公民館wで忘年会は開催された。

忘年会はイベントスペースのいわゆる結婚式などの披露宴をするような場所が一番イメージしやすいだろうか、そんな場所でおこなわれ、ビュッフェ形式で食事やお酒を立食で楽しんだ。

そして、忘年会も後半へ差し掛かると会場はソワソワした雰囲気になっていった。

「今からすごいものが見られるよ」

よくランチに行く上司が初めて参加するわたしにささやいた。

そう言えば、イベントスペースに入る時に、紙に英語で自分の名前を書いてボックスに入れていた。

何か抽選でもやるのかなぁと思っていたが、いい意味で期待が裏切られた。

そう、この抽選会で当たるのは景品といった生ぬるいものではない。

世の中で一番便利に使える”現金”が当たるのだ。

この外資系投資ファンドで働いてから、金の力をあらゆる方向から見せつけられていたが、忘年会も景品なんて回りくどいことはしない・・・キャッシュだ!

よくチームのボスは「Cash is king(キャッシュ イズ キング)」と言っていたが、本当に現金が王様である。

抽選会はものすごくシンプルで重役たちがボックスに手を入れて、紙を取り、読み上げられた人が現金がもらえるというなんとも分かりやすい流れ。

しかもその現金は会社が用意するのではなく、重役たちのポケットマネーだ。

人によって、袋に入れて渡す人やマネークリップに何十万とある札束を数えて渡す人、いろいろなポケットにそれぞれ数万円潜めて複数名に合計何十万円と渡す人などお金がバラマキにバラまかれた。

これは現実なんだろうか?

テレビなどで、よく有名人の財布の中身でお札がぎっしりなんてのは見たことがあるが、あくまでもテレビである。

それが今、目の前で分厚い札束を数えてそのまま渡している光景が映し出されている。

あまりにも非現実的な状況が目の前に現れてお酒を飲んでいるせいもあり夢なんではないかと感じてしまった。

わたしはしがない派遣で時給1000円を必死に稼ぐ中、重役たちは年収で億単位のお金を稼いでいる。

そんなギャップを肌で感じた。

数十万円の出費なんてちょっとした飲み代程度なんだろうか。

ふと、そんなことを考えながら忘年会が終わり、現実離れした世界とお別れをした。

家に帰るといつもと変わらない、高級感のかけらもない自分の部屋が無性に現実的に感じられた。

やっぱりわたしはあそこの人間ではないと現実に帰り、高級タワーマンションとは対極の家で眠りについた。

お金はあるところにある。